2019年 03月 23日
肩コリ |
3月23日 これでは肩も凝ろうというもの
3月に入り天候の優れない日も多い。ついつい部屋の中で目を酷使するようなことをしてしまいがち。そしてやり出したら止まらないのが悪い癖。
現在肩がごちごちに凝っている。
残り糸の整理のつもりだったが、やらなきゃよかった。もう後のまつりというものだ。
肩こりの原因となったのはふたつ。編み物と読書だ。
特に目をこらして編んだこの黒い糸。
実は以前注意されていたのだ。時々調整してもらう整体師から「春は編み物はよくないよ」・・・と。
そして・・・読書・・・軽いものから長編まで。いずれにしろ文庫本の小さい文字を読み過ぎたんだろうか。どうも春先は目が疲れやすい気がする。一応よんだものを挙げると。
①名画と読むイエスキリストの物語 中野京子
宗教画をはずしてヨーロッパの美術は語れない。特に印象派以前の美術はそれが中心といってもいいすぎではない。本書はより深くヨーロッパ美術を楽しむために、受胎告知からキリストの昇天に至る聖書の物語をモチーフにした絵画を通しイエス・キリストの生涯を知っておこうという目的で書かれている。簡潔で読みやすい文章で、私の断片的知識がつながって興味深く読めた。
②独立記念日 原田マハ
24話からなる短編集
テーマはいろんな悩みや苦しみから自分を解き放つ女性たちの姿。
年齢も環境も異なる女性たちが人生の挫折や別れ、恋愛、いじめ、進路、結婚など様々な局面で悩みながらも今までのこだわりから自分を開放し前進していく姿を描いている。
面白いのは24話の登場人物に接点がもうけられているという点。人は皆どこかでつながっているということだろう。
③傭兵ピエール(上) 佐藤賢一著
15世紀、百年戦争下のフランスでのジャンヌダルクをめぐる話で、主人公は傭兵ピエール。王家の威信が失墜した混乱の中、時代の申し子のような傭兵隊長ピエールとその一味は略奪を繰り返す中で、。聖女とも言える一人の少女に出会う。その聖女に導かれ彼らは戦場へ向かい、ついにオルレアン解放、ランスにおけるシャルル7世の戴冠へと貢献する。面白く読んだのはこの辺りまでで、後はながし読みに終わってしまった。全体として傭兵の実態が浮き彫りにされ、赤裸々にあますところなく描かれているが、結構露骨な表現が多い。ジャンヌダルクはあくまで傭兵が傾倒する対象であり、その実像や存在意味に迫るという期待は裏切られた
④モダン原田マハ
MoMA、20世紀モダンアートの巨匠たちの作品が並ぶニューヨーク近代美術館、館の様々なジャンルで活躍する主人公たちそれぞれの体験や人生を描いた5作の短編集。
中でも、ソール・ オブ・ザ・モダンといわれた男、初代館長のアルフレッド・H・バーが登場する、[ロックフェラーギャラリーの幽霊」と「私の好きなマシン」が印象に残った。
⑤十字軍物語Ⅰ 塩野七生
歴史的事実を踏まえて展開する作家独特の「ものがたり」は読みごたえがあり面白い。
十字軍物語Ⅰでは第一回十字軍の派遣からシリア、パレスチナの地に十字軍国家をうち立てるまでの十字軍の第一世代23年間の歴史(1096~1118)
1095年、クレルモンにて行われたローマ法王ウルバン二世の「神がそれを望んでおられる」との聖地回復への呼び掛けに応じてはじめられた軍事行動に参加したのは
先発は隠者ピエールに率いられた民衆(貧民)十字軍
中心になって活躍したのは7組のヨーロッパの諸侯たちであった。諸侯の中でも、ロレーヌ公家のゴドフロアとボードワン、ブ―リア公ポエモンドと甥のタンクレディ、トゥ-ルーズ伯、サン・ジルと司教アデマール。
アンティオキアの攻防、聖都イェルサレムの奪還、そして、十字軍国家の成立が、それぞれの登場人物の個性と活躍ぶり、作戦の妙など迫力ある筆致で語られる。
十字軍の展開は西欧諸国(国王ではなく諸侯たち)が初めて連携して共通の目標に取り組んだという点で、欧州史における重大な転換点といえるようだ。そしてこの第一回十字軍こそが当初の目的を達成できた唯一の派遣だったというが、
この後、物語はⅡ、Ⅲ、Ⅳとつづく。どういう展開を見せるのだろう
⑥暗幕のゲルニカ 原田マハ
芸術は飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ。冒頭に挿入されているパブロ・ピカソの言葉である
史実に基づくフィクションに登場するのは
20世紀(1937~1945)ピカソとその愛人でシュールレアリズムの写真家ドラ・マ―ル。そして、架空の人物・スペインからの亡命公爵バルド・イグナシオ。
21世紀(2001~2003)MoMAのキュレーターをはじめ、すべて架空の人物である。
物語はピカソの愛人にして写真家のドラ・マールの生きた20世紀とMoMAのキュレーター八神瑶子が生きる現代との交錯の中で展開する。9.11で夫を失った瑶子は2003年、「ピカソの戦争」と題した展覧会を企画する。おりしもイラク攻撃が始まろうとする時期。巨大な傑作「ゲルニカ」をニューヨークへ招くため様々な障害を越えて奔走する瑶子だが、はたして反戦を趣旨としたそのピカソ展に、スペインの「ゲルニカ」の展示は可能だろうか。
スペイン内戦のさなか、ドイツによる空爆を知ったピカソが「ゲルニカ」を描き出す緊張感とドラとイグナシオが絵画のアメリカへの亡命という形で「ゲルニカ」を守り抜く過程がいい。
2003年の招致がいかに困難だったかを強調するためか瑶子が「ゲルニカ」を奪おうとするバスクのテロ組織に誘拐されるくだりがあるが、必要だったのだろうかなどと思ってしまった。
もうすぐ桜も咲く。もっと体にいいこと心がけなきゃ。
3月に入り天候の優れない日も多い。ついつい部屋の中で目を酷使するようなことをしてしまいがち。そしてやり出したら止まらないのが悪い癖。
現在肩がごちごちに凝っている。
残り糸の整理のつもりだったが、やらなきゃよかった。もう後のまつりというものだ。
肩こりの原因となったのはふたつ。編み物と読書だ。
特に目をこらして編んだこの黒い糸。
実は以前注意されていたのだ。時々調整してもらう整体師から「春は編み物はよくないよ」・・・と。
そして・・・読書・・・軽いものから長編まで。いずれにしろ文庫本の小さい文字を読み過ぎたんだろうか。どうも春先は目が疲れやすい気がする。一応よんだものを挙げると。
①名画と読むイエスキリストの物語 中野京子
宗教画をはずしてヨーロッパの美術は語れない。特に印象派以前の美術はそれが中心といってもいいすぎではない。本書はより深くヨーロッパ美術を楽しむために、受胎告知からキリストの昇天に至る聖書の物語をモチーフにした絵画を通しイエス・キリストの生涯を知っておこうという目的で書かれている。簡潔で読みやすい文章で、私の断片的知識がつながって興味深く読めた。
②独立記念日 原田マハ
24話からなる短編集
テーマはいろんな悩みや苦しみから自分を解き放つ女性たちの姿。
年齢も環境も異なる女性たちが人生の挫折や別れ、恋愛、いじめ、進路、結婚など様々な局面で悩みながらも今までのこだわりから自分を開放し前進していく姿を描いている。
面白いのは24話の登場人物に接点がもうけられているという点。人は皆どこかでつながっているということだろう。
③傭兵ピエール(上) 佐藤賢一著
15世紀、百年戦争下のフランスでのジャンヌダルクをめぐる話で、主人公は傭兵ピエール。王家の威信が失墜した混乱の中、時代の申し子のような傭兵隊長ピエールとその一味は略奪を繰り返す中で、。聖女とも言える一人の少女に出会う。その聖女に導かれ彼らは戦場へ向かい、ついにオルレアン解放、ランスにおけるシャルル7世の戴冠へと貢献する。面白く読んだのはこの辺りまでで、後はながし読みに終わってしまった。全体として傭兵の実態が浮き彫りにされ、赤裸々にあますところなく描かれているが、結構露骨な表現が多い。ジャンヌダルクはあくまで傭兵が傾倒する対象であり、その実像や存在意味に迫るという期待は裏切られた
④モダン原田マハ
MoMA、20世紀モダンアートの巨匠たちの作品が並ぶニューヨーク近代美術館、館の様々なジャンルで活躍する主人公たちそれぞれの体験や人生を描いた5作の短編集。
中でも、ソール・ オブ・ザ・モダンといわれた男、初代館長のアルフレッド・H・バーが登場する、[ロックフェラーギャラリーの幽霊」と「私の好きなマシン」が印象に残った。
⑤十字軍物語Ⅰ 塩野七生
歴史的事実を踏まえて展開する作家独特の「ものがたり」は読みごたえがあり面白い。
十字軍物語Ⅰでは第一回十字軍の派遣からシリア、パレスチナの地に十字軍国家をうち立てるまでの十字軍の第一世代23年間の歴史(1096~1118)
1095年、クレルモンにて行われたローマ法王ウルバン二世の「神がそれを望んでおられる」との聖地回復への呼び掛けに応じてはじめられた軍事行動に参加したのは
先発は隠者ピエールに率いられた民衆(貧民)十字軍
中心になって活躍したのは7組のヨーロッパの諸侯たちであった。諸侯の中でも、ロレーヌ公家のゴドフロアとボードワン、ブ―リア公ポエモンドと甥のタンクレディ、トゥ-ルーズ伯、サン・ジルと司教アデマール。
アンティオキアの攻防、聖都イェルサレムの奪還、そして、十字軍国家の成立が、それぞれの登場人物の個性と活躍ぶり、作戦の妙など迫力ある筆致で語られる。
十字軍の展開は西欧諸国(国王ではなく諸侯たち)が初めて連携して共通の目標に取り組んだという点で、欧州史における重大な転換点といえるようだ。そしてこの第一回十字軍こそが当初の目的を達成できた唯一の派遣だったというが、
この後、物語はⅡ、Ⅲ、Ⅳとつづく。どういう展開を見せるのだろう
⑥暗幕のゲルニカ 原田マハ
芸術は飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ。冒頭に挿入されているパブロ・ピカソの言葉である
史実に基づくフィクションに登場するのは
20世紀(1937~1945)ピカソとその愛人でシュールレアリズムの写真家ドラ・マ―ル。そして、架空の人物・スペインからの亡命公爵バルド・イグナシオ。
21世紀(2001~2003)MoMAのキュレーターをはじめ、すべて架空の人物である。
物語はピカソの愛人にして写真家のドラ・マールの生きた20世紀とMoMAのキュレーター八神瑶子が生きる現代との交錯の中で展開する。9.11で夫を失った瑶子は2003年、「ピカソの戦争」と題した展覧会を企画する。おりしもイラク攻撃が始まろうとする時期。巨大な傑作「ゲルニカ」をニューヨークへ招くため様々な障害を越えて奔走する瑶子だが、はたして反戦を趣旨としたそのピカソ展に、スペインの「ゲルニカ」の展示は可能だろうか。
スペイン内戦のさなか、ドイツによる空爆を知ったピカソが「ゲルニカ」を描き出す緊張感とドラとイグナシオが絵画のアメリカへの亡命という形で「ゲルニカ」を守り抜く過程がいい。
2003年の招致がいかに困難だったかを強調するためか瑶子が「ゲルニカ」を奪おうとするバスクのテロ組織に誘拐されるくだりがあるが、必要だったのだろうかなどと思ってしまった。
by blue-robin2
| 2019-03-23 12:03
| 本
|
Comments(4)
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by
timata-sn at 2019-03-23 19:13
blue-robin2さん こんばんは
今日は小雨が降ったり、陽射しが出たりと不安定なお天気でした。
編み物をされて、肩が凝って居るんですね。
網目を探し数えて進む眼には良くないんでしょうね。
それもやりだしたら、止まらないと言う所が負担に成るでしょうね。
私の様に目の悪いものはそんなにこんを詰めては出来ませんよ。
読書も頑張って読まれたのですね。
色々と読まれたものを後でこの様に纏めてあげられる所は感心
しますよ、凄いですね!!
今日は小雨が降ったり、陽射しが出たりと不安定なお天気でした。
編み物をされて、肩が凝って居るんですね。
網目を探し数えて進む眼には良くないんでしょうね。
それもやりだしたら、止まらないと言う所が負担に成るでしょうね。
私の様に目の悪いものはそんなにこんを詰めては出来ませんよ。
読書も頑張って読まれたのですね。
色々と読まれたものを後でこの様に纏めてあげられる所は感心
しますよ、凄いですね!!
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by
nonkonogoro at 2019-03-24 18:56
たくさんの本を読まれたのですね~
私は毎日読書は日課ですが
同じようなペースなので 肩はこりません。
たまに 猛スピードで読破すると 疲れます。
夜に読むのは目によくないですね。
マハさんの 「独立記念日」 楽しかったですね~(^^)
編み物は 集中すると
やはり肩がこりますよね。
私のベストは もう少しで編みあがりますが
あせらないように 踏ん張っています(笑)
肩が凝るのは まあ良いのですが
私の場合は 歯茎が腫れるので やっかいなのです。
私は毎日読書は日課ですが
同じようなペースなので 肩はこりません。
たまに 猛スピードで読破すると 疲れます。
夜に読むのは目によくないですね。
マハさんの 「独立記念日」 楽しかったですね~(^^)
編み物は 集中すると
やはり肩がこりますよね。
私のベストは もう少しで編みあがりますが
あせらないように 踏ん張っています(笑)
肩が凝るのは まあ良いのですが
私の場合は 歯茎が腫れるので やっかいなのです。
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blue-robin2 at 2019-03-31 08:19
timata-snさん こんにちは
バタバタ過ごしているうちにパソコンチェックもなおざりになりコメントへのお返事が遅れすみません。
ちょっとやりすぎたようです。
読書は楽しんでいます。目の使いすぎなんでしょうね。
桜も咲きはじめいい季節ですが寒いですね。
バタバタ過ごしているうちにパソコンチェックもなおざりになりコメントへのお返事が遅れすみません。
ちょっとやりすぎたようです。
読書は楽しんでいます。目の使いすぎなんでしょうね。
桜も咲きはじめいい季節ですが寒いですね。
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blue-robin2 at 2019-03-31 08:27
nonさん こんにちは
「独立記念日」気楽にたのしく読めますでしょ。
「暗幕のゲルニカ」も実在の人物と架空の人物で織りなすマハさん独特のフィクション。サスペンスっぽくて楽園のキャンバスとならぶ作品だなと思いました。
各地から便りが聞かれますが花冷えでしょうか。寒いですね。
「独立記念日」気楽にたのしく読めますでしょ。
「暗幕のゲルニカ」も実在の人物と架空の人物で織りなすマハさん独特のフィクション。サスペンスっぽくて楽園のキャンバスとならぶ作品だなと思いました。
各地から便りが聞かれますが花冷えでしょうか。寒いですね。