2016年 05月 20日
井倉からの里山歩き(野兎との遭遇) |
5月19日
井倉から新見への県北ウォーキング。全行程を歩くのは2年ぶりになるだろうか。
井倉洞駐車場から高梁川の左岸を、足見方向へと登っていく。この道にはノアザミが路傍にたくさん生えている。 あざみの蜜を求めてやってきたのはオナガアゲハ。一見、クロアゲハに似るがこちらは尾状突起がとても長い。このチョウ以外にも、カノコソウやコンロンソウにやってくるいろんな蝶に出会った。(ヒメキマダラセセリ、ヒメウラナミジャノメ、クロヒカゲ、スジグロシロチョウ))
1時間30分ほどのぼると、以前はタバコ栽培が盛んだったが、近年はブドウ栽培へと姿を変えた西組という変わった地名の集落につく。途中の林縁では空色に星のはいったホタルカズラ、タツナミソウが、そして、農村に多い帰化植物、キツネアザミやナガミノヒナゲシも沢山咲いている。このヒナゲシを見ると、与謝野晶子も歌にしたフランスの野に咲く真っ赤なコクリコを思い出す。・・・・ああ皐月仏蘭西の野は火の色す君もコクリコわれもコクリコ・・・・
西組からは唐松という小阪部川ぞいへと下って行くが、その途中、10mほど先の路上に野兎の姿を見つける。以前にもほんの一瞬見かけたことはあるのだが、今回のはしばらく止まってこちらをうかがっている様子。急いで写したが、ぴょんと跳ねてブッシュへ逃げ込んだ。
ひと山越えたあたりの林下でムサシアブミを見つける。以前、野草園で紫と白の縞のものを見たことはあるのだが、こういった場所で出会えるとは思わなかったので先のウサギといい、やっぱり歩くというのは思いがけない出会いがあって楽しい。光沢のある2本の3枚葉のあいだから大きなあぶみ型の仏炎包が伸びている。今回のものは緑地に白い線が入ったものだ。他のテンナンショウ属とははっきりした形の違いがある。口辺部は耳状にはりだし、舷部は袋状に巻き込む。花序の付属体は白い棒状で、仏炎包に包まれている。
山道から飛び出して車道を行くとやがて小阪部川にそって上流に向かう。
途中、左折して今度は渓流沿いに大峠へと登る。ここから、きょうの後半歩きが始まる。
フタリシズカ、ウシハコベ。ほかにもヤマハコベ、フタバアオイ、など。 ずっとウシハコベに出会いたかったのだ。県下一円にあるとのことだが意外と見つからなかった。今回見たものは子房の先に5本の花柱を確認できたのでまちがいないとおもう。
(不鮮明ながら↓拡大画像)
たった一つ残っていたラショウモンカズラ カワトンボ 初見の虫たちとも出会う。 なんという虫だろう・・・・
●左はベニカミキリ:ベニコメツキかと思ったがよく見ると胸も赤く三本の線が入っている。大きさは2cm弱だった。北海道や本州に分布しクリやガマズミを食すようだ。
●右上ははっきりした模様が目を引いた。精巧な模様だ。ビロードナミシャクという蛾。この名に行きつくのにネット検索を重ねた。それほど蛾の種類は多いということに気がつく。開帳は40ミリほど。全国に分布し5~7月に発生。幼虫の食草はヤマアジサイの葉ということだった。
●右下はちょっと気味の悪い虫。ヒメシロコブゾウムシ。体長11~14ミリで本州から九州にかけ、4~7月に発生。タラ、ウド、シシウドなどの葉を食べるんだとか。白くごつごつしたこぶ状の体表は白い鱗片だそうだ。
数軒の家のある大峠からさらに緩やかに登り、黒髪山山麓の青龍寺方向へ。
道の両側は多くの落葉広葉樹が花の時を迎えている。
(コガクウツギ、タニウツギ、ジャケツイバラ、ヤマボウシ)タニウツギが自生するということは、北部豪雪地帯である新見は日本海側気候なんだと思った。
思いがけなく、キンランもみつける。美しい黄色だが、全開はしないつつましやかなランだ。
歩きはじめて5時間、時刻は4時30分。
水田に光がさして輝いている。もう田植えが終わっているのだ。
更に青々したモミジの中を下って新見駅まで1時間
久しぶりに「歩いた!」という感覚を味わった。やはり、山道は解放的でいい~~
井倉から新見への県北ウォーキング。全行程を歩くのは2年ぶりになるだろうか。
井倉洞駐車場から高梁川の左岸を、足見方向へと登っていく。この道にはノアザミが路傍にたくさん生えている。
1時間30分ほどのぼると、以前はタバコ栽培が盛んだったが、近年はブドウ栽培へと姿を変えた西組という変わった地名の集落につく。途中の林縁では空色に星のはいったホタルカズラ、タツナミソウが、そして、農村に多い帰化植物、キツネアザミやナガミノヒナゲシも沢山咲いている。このヒナゲシを見ると、与謝野晶子も歌にしたフランスの野に咲く真っ赤なコクリコを思い出す。・・・・ああ皐月仏蘭西の野は火の色す君もコクリコわれもコクリコ・・・・
西組からは唐松という小阪部川ぞいへと下って行くが、その途中、10mほど先の路上に野兎の姿を見つける。以前にもほんの一瞬見かけたことはあるのだが、今回のはしばらく止まってこちらをうかがっている様子。急いで写したが、ぴょんと跳ねてブッシュへ逃げ込んだ。
ひと山越えたあたりの林下でムサシアブミを見つける。以前、野草園で紫と白の縞のものを見たことはあるのだが、こういった場所で出会えるとは思わなかったので先のウサギといい、やっぱり歩くというのは思いがけない出会いがあって楽しい。光沢のある2本の3枚葉のあいだから大きなあぶみ型の仏炎包が伸びている。今回のものは緑地に白い線が入ったものだ。他のテンナンショウ属とははっきりした形の違いがある。口辺部は耳状にはりだし、舷部は袋状に巻き込む。花序の付属体は白い棒状で、仏炎包に包まれている。
山道から飛び出して車道を行くとやがて小阪部川にそって上流に向かう。
途中、左折して今度は渓流沿いに大峠へと登る。ここから、きょうの後半歩きが始まる。
フタリシズカ、ウシハコベ。ほかにもヤマハコベ、フタバアオイ、など。
(不鮮明ながら↓拡大画像)
●左はベニカミキリ:ベニコメツキかと思ったがよく見ると胸も赤く三本の線が入っている。大きさは2cm弱だった。北海道や本州に分布しクリやガマズミを食すようだ。
●右上ははっきりした模様が目を引いた。精巧な模様だ。ビロードナミシャクという蛾。この名に行きつくのにネット検索を重ねた。それほど蛾の種類は多いということに気がつく。開帳は40ミリほど。全国に分布し5~7月に発生。幼虫の食草はヤマアジサイの葉ということだった。
●右下はちょっと気味の悪い虫。ヒメシロコブゾウムシ。体長11~14ミリで本州から九州にかけ、4~7月に発生。タラ、ウド、シシウドなどの葉を食べるんだとか。白くごつごつしたこぶ状の体表は白い鱗片だそうだ。
数軒の家のある大峠からさらに緩やかに登り、黒髪山山麓の青龍寺方向へ。
道の両側は多くの落葉広葉樹が花の時を迎えている。
(コガクウツギ、タニウツギ、ジャケツイバラ、ヤマボウシ)タニウツギが自生するということは、北部豪雪地帯である新見は日本海側気候なんだと思った。
思いがけなく、キンランもみつける。美しい黄色だが、全開はしないつつましやかなランだ。
歩きはじめて5時間、時刻は4時30分。
水田に光がさして輝いている。もう田植えが終わっているのだ。
更に青々したモミジの中を下って新見駅まで1時間
久しぶりに「歩いた!」という感覚を味わった。やはり、山道は解放的でいい~~
by blue-robin2
| 2016-05-20 22:33
| 山、里山、湿原歩き
|
Comments(10)
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chiyoko-mimi at 2016-05-21 19:41
ご無沙汰しております
お元気ですね^^ 羨ましいかぎりです
歩ける事が健康の元でしょうか・・・
其方の方も田植えが終わった様ですね
早苗の緑が好い感じですね
お花も次々に咲き出し散策も楽しみが増しますね
お元気ですね^^ 羨ましいかぎりです
歩ける事が健康の元でしょうか・・・
其方の方も田植えが終わった様ですね
早苗の緑が好い感じですね
お花も次々に咲き出し散策も楽しみが増しますね
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timata-sn at 2016-05-21 20:56
blue-robin2さん こんばんは
今日は良いお天気でした、お昼は暑かったですよ。
井倉から新見まで山道を歩かれたのですね。
6時間とは凄いですね!!
この時季の日暮れは遅く成って来て居るので、好都合だった様ですね。
それにしても色んな蝶や花などに出会われましたね。
最初のオナガアゲハからキンランまで20数種類の物に出会われて居るんですね。
中でも野兎に出会われたのですね、じっと止まってくれて居たとは
可愛いですね!!
今日は良いお天気でした、お昼は暑かったですよ。
井倉から新見まで山道を歩かれたのですね。
6時間とは凄いですね!!
この時季の日暮れは遅く成って来て居るので、好都合だった様ですね。
それにしても色んな蝶や花などに出会われましたね。
最初のオナガアゲハからキンランまで20数種類の物に出会われて居るんですね。
中でも野兎に出会われたのですね、じっと止まってくれて居たとは
可愛いですね!!
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blue-robin2 at 2016-05-22 06:30
chiyokoーmimiさん おはようございます。
足だけはなんとか丈夫ですので
歩けるんだと思います。これだけの距離だと筋肉痛は残りますけど・・・(>_<)
この先も田は青々と美しいでしょうね。里山歩きは行くたびに何らかの出会いがあって楽しいです。
chiyoko-mimiさんも精力的にお出かけされてますね。
写真をとるという目的を持ち続けてらっしゃるのがmimiさんの健康の秘訣かもしれませんね。
足だけはなんとか丈夫ですので
歩けるんだと思います。これだけの距離だと筋肉痛は残りますけど・・・(>_<)
この先も田は青々と美しいでしょうね。里山歩きは行くたびに何らかの出会いがあって楽しいです。
chiyoko-mimiさんも精力的にお出かけされてますね。
写真をとるという目的を持ち続けてらっしゃるのがmimiさんの健康の秘訣かもしれませんね。
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blue-robin2 at 2016-05-22 06:45
timata-snさん おはようございます。
高梁川に沿った180号線から一本上はもう山道です。20年ほど前地図でこういった路を確認してから歩きだしてその後時々同じルートを歩いています。本来何事も構えないでやってるので出発時間が遅いのですよね…この日も歩きはじめが昼前だったので駅に着いたのは5時を回ってました。おっしゃる通り日暮れが遅いのでまだまだ明るいですよね。
この道では野草、昆虫といろんなものに出会います。野兎は見つけた時は10mほど離れていました。徐々に5mくらいまで近ずいたらピョンとはねました。はねた瞬間をとりたかったけれど無理でした・・・。以前、猿や狸とも会いましたが兎は初めてでした。姿はそう見れなくともいろんな小動物が潜んでるってことですよね~~そして、イノシシやシカもいるかもしれませんね。
高梁川に沿った180号線から一本上はもう山道です。20年ほど前地図でこういった路を確認してから歩きだしてその後時々同じルートを歩いています。本来何事も構えないでやってるので出発時間が遅いのですよね…この日も歩きはじめが昼前だったので駅に着いたのは5時を回ってました。おっしゃる通り日暮れが遅いのでまだまだ明るいですよね。
この道では野草、昆虫といろんなものに出会います。野兎は見つけた時は10mほど離れていました。徐々に5mくらいまで近ずいたらピョンとはねました。はねた瞬間をとりたかったけれど無理でした・・・。以前、猿や狸とも会いましたが兎は初めてでした。姿はそう見れなくともいろんな小動物が潜んでるってことですよね~~そして、イノシシやシカもいるかもしれませんね。
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koba222 at 2016-05-22 17:20
ヒナゲシを見て与謝野晶子の歌を思い出すとはさすが
blue-robin2 さんです。里山歩きもいいものですね。
喧騒を離れてひなびた田舎道そして出会うものは
野生の動物や花々に満足の歩きができましたね。
筋肉痛は少々感じても心の満足には代えがたいものです!(^^)!
blue-robin2 さんです。里山歩きもいいものですね。
喧騒を離れてひなびた田舎道そして出会うものは
野生の動物や花々に満足の歩きができましたね。
筋肉痛は少々感じても心の満足には代えがたいものです!(^^)!
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blue-robin2 at 2016-05-22 18:19
koba222さん こんばんは
「心の満足には代えがたい」自然の中を歩く喜びをよくご存じのkobaさんならではの感想。とてもうれしく読みました。
ほんとにその通りです(^_-)
フランスの車窓から見たコクリコはこのナガミノヒナゲシよりももっともっと赤く、晶子が自身の感情になぞらえ「火の色」と表現したのがよくわかります。短い歌の中に恋情をこのように情熱的に表現するなんてすごいと思った次第です。
「心の満足には代えがたい」自然の中を歩く喜びをよくご存じのkobaさんならではの感想。とてもうれしく読みました。
ほんとにその通りです(^_-)
フランスの車窓から見たコクリコはこのナガミノヒナゲシよりももっともっと赤く、晶子が自身の感情になぞらえ「火の色」と表現したのがよくわかります。短い歌の中に恋情をこのように情熱的に表現するなんてすごいと思った次第です。
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nonkonogoro at 2016-05-22 19:33
植物だけではなく
蝶を撮るのもお上手ですね~(^^)/
田植えの終わったばかりの水田に射す光~
いい写真ですねえ。
ブルーベリーの鉢植えを注文しました。
実がついたまま 届くそうです。(^^)
蝶を撮るのもお上手ですね~(^^)/
田植えの終わったばかりの水田に射す光~
いい写真ですねえ。
ブルーベリーの鉢植えを注文しました。
実がついたまま 届くそうです。(^^)
ムサシアブミ!!まだ実物は見たことがありません 珍しいですね~ (^^♪ 井倉洞に車を置かれて歩かれましたか 素敵なコースがあるのですね~ いいなあ~
野兎にも遭遇! すごいです
ヒメシロコブゾウムシは こちらでも見かけます よくイタドリの葉にいますが 今年はまだ ゾウムシに出会ってないのですよね~ どこへ行ったのかな~?(#^.^#)
野兎にも遭遇! すごいです
ヒメシロコブゾウムシは こちらでも見かけます よくイタドリの葉にいますが 今年はまだ ゾウムシに出会ってないのですよね~ どこへ行ったのかな~?(#^.^#)
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blue-robin2 at 2016-05-23 07:11
nonさん おはようございます。
蝶によってはひらひら舞うばかりでじっと止まってくれないので写しづらいのですが、大好きな蜜のあるところでは吸蜜に夢中になってることも多く結構写しよいです。それとセセリチョウやタテハチョウの仲間は写しやすいと思います。
何気ない風景ですが光線が入ると結構いいですよね。
沢山の実がついたのを購入されたのですね。収穫楽しみですね。
蝶によってはひらひら舞うばかりでじっと止まってくれないので写しづらいのですが、大好きな蜜のあるところでは吸蜜に夢中になってることも多く結構写しよいです。それとセセリチョウやタテハチョウの仲間は写しやすいと思います。
何気ない風景ですが光線が入ると結構いいですよね。
沢山の実がついたのを購入されたのですね。収穫楽しみですね。
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blue-robin2 at 2016-05-23 07:18
番人さんでも出あってない花ってあるんですね。里山を歩いていると。緑や濃い紫のマムシグサはよく見かけますが、これって珍しいでしょ。先ず大きな葉が目に入りその下を見るとこれもまたかなり大きな仏炎包が見えました。私もまさかの出会いでした。その一帯では何本も見かけました。
ヒメシロコブゾウムシは初めてで、当初何かの抜けがらかと思いました。ちょっと気持ち悪いですね(^_-)
ヒメシロコブゾウムシは初めてで、当初何かの抜けがらかと思いました。ちょっと気持ち悪いですね(^_-)