2015年 11月 01日
映画「ふたつの名前を持つ少年」 |
11月1日
RUN BOY RUN (原題)
原作はウーリー・オルレプの[走れ、走って逃げろ」である。
以下、大いにネタバレです。(>_<)
ドイツ占領下のポーランドで、8歳だったユダヤ人少年が、ユダヤ人であることを偽って終戦までの3年間を一人で生き抜いたという驚愕の実話に基づいた感動作。
ナチスに追われ散り散りになった一家、別れの時、彼を抱きしめ「親を忘れてもユダヤ人であることは胸に刻んで、名前を変えてでも絶対に生きのびろ。」その言葉を胸に彼の旅が始まる。
ユダヤ人強制居住区より荷馬車に潜り込んで逃げ出した少年スルリックは、森へと入り、同じような少年たちの集団に交じって農家から食物を盗んだりしながら森をさまよう。やがて、ナチにみつかり追われた末に一人ぼっちになったスルリックは飢えと寒さで生き倒れとなる。彼を救ったのは夫と息子がパルチザンだというヤンチック夫人だった。彼女は、彼がひとりで生き延びれるようにと、ポーランド人孤児、ユレク・スタニックとしての架空の名前と身の上を覚えさせ、キリスト教の祈りを教え込む。
食べ物と一時の休息を求めて一軒ずつ農家のドアーをたたくユレクだが、教えられたとおり祈りを唱え、純真な笑顔を見せる彼に救いの手を差し伸べる者、冷たくドアーを閉ざす者。やがて一軒の農家に受け入れられ、手伝いをしながら一時の平穏な日々をつかむが、隠しきれない割礼の痕跡からユダヤ人だとばれれば次の場所へ移動せざるを得ない。だまして収容所へと送りこむ夫婦も。その都度「生きろ」と言った父の言葉が彼を我に返らせる。牧場の手伝いをするうち事故で片腕を失うことになるがそんな痛ましい彼に対しても、ナチスの追跡はとどまることを知らない。森を逃げまどう少年に大勢の親衛隊と猟犬の追跡・・・やっとヤンチック夫人のもとにたどり着くも、そこもまたナチス親衛隊(ss)に焼きつくされる始末。
やがて、鍛冶屋で暮らすようになった彼は不自由な手で働き家族に受け入れられるようになり、その地でやっと終戦を迎える。
決してあきらめることなく逃げ切った3年間、彼の勇気ある行動を支えたのは自分の身に代えて彼を生き延びさせた父の「生きろ」という言葉であった。
自らの運命を切り開こうとするひたむきな強さと純真な心を持ちつづける少年の姿に感動する一方、第二次大戦中に起こったナチスの得体のしれない異様さ、人間の持つ両面性、身勝手、醜さ、残忍さ、優しさ、おおらかさ、などを見せつけられた映画であった。
冒頭のタイトルバックにもなっている雪景色の中を行く少年の映像がとても美しいだけに、その自然の中で繰り広げられる彼の運命の過酷さとの対比が強烈だ。
この少年は、終戦後、ユダヤ人孤児院に入り、教育を受け満たされた人生を送ったようだ。過酷な物語であったが、それだけでは終わらない未来へとつながっていることに救われる。
RUN BOY RUNという原題がやはりこの映画にはぴったり。私もまた画面にひきこまれて走るのであった。
監督:ペペ・ダンカート 2013年ドイツ、フランス映画
キャスト アンジェイ・トカチ カミル・トカチ エリザベス・デューダ ジャネット・ハイン
PS:後で知ったが主人公は双子の兄弟のダブルキャストであったようだ。双子ということもあってか全く気がつかなかった。
いよいよ紅葉も里へ
あちこちで「紅葉まつり」の便りを聞く。閑谷の楷の木も見ごろだろうかと思っていってみたが、ライトアップが計画されているものの、今年の楷は一本がすでに落葉。もうひとつも今一歩というところで美しさに欠け、むしろ周辺のモミジに目がいった
RUN BOY RUN (原題)
以下、大いにネタバレです。(>_<)
ドイツ占領下のポーランドで、8歳だったユダヤ人少年が、ユダヤ人であることを偽って終戦までの3年間を一人で生き抜いたという驚愕の実話に基づいた感動作。
ナチスに追われ散り散りになった一家、別れの時、彼を抱きしめ「親を忘れてもユダヤ人であることは胸に刻んで、名前を変えてでも絶対に生きのびろ。」その言葉を胸に彼の旅が始まる。
ユダヤ人強制居住区より荷馬車に潜り込んで逃げ出した少年スルリックは、森へと入り、同じような少年たちの集団に交じって農家から食物を盗んだりしながら森をさまよう。やがて、ナチにみつかり追われた末に一人ぼっちになったスルリックは飢えと寒さで生き倒れとなる。彼を救ったのは夫と息子がパルチザンだというヤンチック夫人だった。彼女は、彼がひとりで生き延びれるようにと、ポーランド人孤児、ユレク・スタニックとしての架空の名前と身の上を覚えさせ、キリスト教の祈りを教え込む。
食べ物と一時の休息を求めて一軒ずつ農家のドアーをたたくユレクだが、教えられたとおり祈りを唱え、純真な笑顔を見せる彼に救いの手を差し伸べる者、冷たくドアーを閉ざす者。やがて一軒の農家に受け入れられ、手伝いをしながら一時の平穏な日々をつかむが、隠しきれない割礼の痕跡からユダヤ人だとばれれば次の場所へ移動せざるを得ない。だまして収容所へと送りこむ夫婦も。その都度「生きろ」と言った父の言葉が彼を我に返らせる。牧場の手伝いをするうち事故で片腕を失うことになるがそんな痛ましい彼に対しても、ナチスの追跡はとどまることを知らない。森を逃げまどう少年に大勢の親衛隊と猟犬の追跡・・・やっとヤンチック夫人のもとにたどり着くも、そこもまたナチス親衛隊(ss)に焼きつくされる始末。
やがて、鍛冶屋で暮らすようになった彼は不自由な手で働き家族に受け入れられるようになり、その地でやっと終戦を迎える。
決してあきらめることなく逃げ切った3年間、彼の勇気ある行動を支えたのは自分の身に代えて彼を生き延びさせた父の「生きろ」という言葉であった。
自らの運命を切り開こうとするひたむきな強さと純真な心を持ちつづける少年の姿に感動する一方、第二次大戦中に起こったナチスの得体のしれない異様さ、人間の持つ両面性、身勝手、醜さ、残忍さ、優しさ、おおらかさ、などを見せつけられた映画であった。
冒頭のタイトルバックにもなっている雪景色の中を行く少年の映像がとても美しいだけに、その自然の中で繰り広げられる彼の運命の過酷さとの対比が強烈だ。
この少年は、終戦後、ユダヤ人孤児院に入り、教育を受け満たされた人生を送ったようだ。過酷な物語であったが、それだけでは終わらない未来へとつながっていることに救われる。
RUN BOY RUNという原題がやはりこの映画にはぴったり。私もまた画面にひきこまれて走るのであった。
監督:ペペ・ダンカート 2013年ドイツ、フランス映画
キャスト アンジェイ・トカチ カミル・トカチ エリザベス・デューダ ジャネット・ハイン
PS:後で知ったが主人公は双子の兄弟のダブルキャストであったようだ。双子ということもあってか全く気がつかなかった。
いよいよ紅葉も里へ
あちこちで「紅葉まつり」の便りを聞く。閑谷の楷の木も見ごろだろうかと思っていってみたが、ライトアップが計画されているものの、今年の楷は一本がすでに落葉。もうひとつも今一歩というところで美しさに欠け、むしろ周辺のモミジに目がいった
by blue-robin2
| 2015-11-01 23:30
| 映画 演劇 コンサート
|
Comments(6)
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timata-sn at 2015-11-02 21:15
blue-robin2さん こんばんは
今朝は雨に成りました、お昼前には上がりましたよ。
閑谷学校へ楷の木の紅葉を観に行かれたのですね。
それ程芳しいものでは有りませんでしたか。
モミジは綺麗に紅葉して居ますね!!
映画を観に行かれたのですね。
RUN BOY RUN でしたか、第二次大戦中のナチによる
ユダヤ人の迫害がテーマだったようですね。
父親の言葉に沿って生き残る事に精一杯努力した少年の
物語だったのですね。
今朝は雨に成りました、お昼前には上がりましたよ。
閑谷学校へ楷の木の紅葉を観に行かれたのですね。
それ程芳しいものでは有りませんでしたか。
モミジは綺麗に紅葉して居ますね!!
映画を観に行かれたのですね。
RUN BOY RUN でしたか、第二次大戦中のナチによる
ユダヤ人の迫害がテーマだったようですね。
父親の言葉に沿って生き残る事に精一杯努力した少年の
物語だったのですね。
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blue-robin2 at 2015-11-03 16:41
timata-snさん こんにちは
閑谷学校の楷の木は右のはすでに落葉してました。左のはまだまだ青かったのでそのうち赤くなるのかもしれません。
RUN BOY RUN は見ごたえのある映画でした。
アウシュヴィッツ収容所解放70周年にあたり心を揺さぶる映画でした。今なお実在の主人公は、その後、奨学金をもらって高い教育を受け、充実した人生だったようです。強い意志で生き抜いたという経験が彼をより強くしたことでしょうね。過酷なだけに終わらず先に光が見えるという点で後味のいい映画でした。
閑谷学校の楷の木は右のはすでに落葉してました。左のはまだまだ青かったのでそのうち赤くなるのかもしれません。
RUN BOY RUN は見ごたえのある映画でした。
アウシュヴィッツ収容所解放70周年にあたり心を揺さぶる映画でした。今なお実在の主人公は、その後、奨学金をもらって高い教育を受け、充実した人生だったようです。強い意志で生き抜いたという経験が彼をより強くしたことでしょうね。過酷なだけに終わらず先に光が見えるという点で後味のいい映画でした。
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koba222 at 2015-11-03 20:38
読書、映画、登山、散策と充実の日々ですね。
山から里へと紅葉も進んでまいりました。
紅葉の中に佇むとき幸せを感じますね。
RUN BOY RUN
素晴らしい映画でしたね。
世界から争いが絶えない現在も息苦しいものを感じますが
やはり生きることの大切さはどんな時代にも
考えるべきでしょう。
山から里へと紅葉も進んでまいりました。
紅葉の中に佇むとき幸せを感じますね。
RUN BOY RUN
素晴らしい映画でしたね。
世界から争いが絶えない現在も息苦しいものを感じますが
やはり生きることの大切さはどんな時代にも
考えるべきでしょう。
レモン!美味そうですね~ ハチミツレモン湯!(#^^#)
普門寺へ2回目行きましたが 楽しかったですよ 餅投げが(笑)
紅葉はまだ一部でした 10日過ぎですかね~
関谷の楷の木 もう一本落葉してましたか そうなんだ
比婆山へちょっと寄ってみましたが山の上はもうブナの葉なんのない状態でした 下は紅葉でしたが (;'∀')
普門寺へ2回目行きましたが 楽しかったですよ 餅投げが(笑)
紅葉はまだ一部でした 10日過ぎですかね~
関谷の楷の木 もう一本落葉してましたか そうなんだ
比婆山へちょっと寄ってみましたが山の上はもうブナの葉なんのない状態でした 下は紅葉でしたが (;'∀')
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blue-robin2 at 2015-11-04 18:08
koba222さん こんばんは
今日は暖かかったですね。昼と夜の温度差が大きいほど美しい紅葉ということで、今後も期待できそう・・
こどもの生き抜こうとする姿、ひたむきさに感動すると同時に、人の持つ残酷さ、優しさを見せつけられた映画でもありました。
今日は暖かかったですね。昼と夜の温度差が大きいほど美しい紅葉ということで、今後も期待できそう・・
こどもの生き抜こうとする姿、ひたむきさに感動すると同時に、人の持つ残酷さ、優しさを見せつけられた映画でもありました。
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blue-robin2 at 2015-11-04 18:13
番人さん こんばんは
レモン,たった三個ですが実のなるものはいいですね。なんだか薄く切った一枚づつがとても貴重に思えて、・・・
普門寺を、楽しまれていますね。
紅葉も秋色になったアジサイもさぞ美しかったことでしょう。
山の秋はあっという間に冬景色に変わっていくのでしょうね。
ブナは落ちたとはいえ、ススキも美しいでしょうし
まだ、今月いっぱいは楽しめそうですね。
レモン,たった三個ですが実のなるものはいいですね。なんだか薄く切った一枚づつがとても貴重に思えて、・・・
普門寺を、楽しまれていますね。
紅葉も秋色になったアジサイもさぞ美しかったことでしょう。
山の秋はあっという間に冬景色に変わっていくのでしょうね。
ブナは落ちたとはいえ、ススキも美しいでしょうし
まだ、今月いっぱいは楽しめそうですね。