2013年 12月 28日
利休にたずねよ |
12月26日
邦画「利休にたずねよ」
この作品によって直木賞を受けた山本兼一著の「利休にたずねよ」の映画化である。
作家はこの作品を書いたきっかけとして利休好みの水指に匂い立つ様な優美さをみた時と語っている。利休が求めた美への原点を描こうとした作品である。先に、その小説をよんでいたので映画としてどのように表現されたのか興味深く観賞した。
利休:市川海老蔵、その妻、宗恩:中谷美紀、その師、紹鷗:市川団十郎といったキャスト。
内容的には本に比べて、かなり省かれているといった感じはしたが、映像が美しかった。
とくに中谷美紀の楚々とした立ち居振る舞いを美しく感じた。映画化にあたって権力に屈しない美の世界という主題を前面に出したのだろう、結末が変えられてしまっていたのは少々残念だった。
小説では、利休が19歳の時にやむなく殺したとされる美しい高麗の女、利休の美の原点ともいえ、肌身離さず持ち続けたその女の形見である緑釉の香合、その香合を利休の唯一の理解者であった妻、宗恩が利休切腹後に、利休好みの石灯篭に投げつけ、たたき割るというのが物語の終章であり、衝撃的な幕切れであったのだ。香合が姿を消すことが、[利休にたずねよ」に通じるのではなかったのか・・・・・
こういうことって前にもあったなと。ホーソーン原作の「緋文字」。結末が変わったことで著者の主題からずれていて物足りなかったのだが・・・・
今回の場合結末を変えたのも含め、私が思っていたほど人間を描く点での深みは感じられなかったが、映画は映画として利休の求めた美をより強調するという方向だったのだろう。
それにしても、団十郎、登場場面は多くはなかったけれどその存在感の重厚さでは主役を圧倒。この人の早生が惜しまれます。
むくげをここに載せたのは小説の中の一節より。
『木槿一日自為栄』(木槿は一日花なるも自ら栄となす)・・死を覚悟した高麗の女がしたためたとする白居易の詩
邦画「利休にたずねよ」
この作品によって直木賞を受けた山本兼一著の「利休にたずねよ」の映画化である。
作家はこの作品を書いたきっかけとして利休好みの水指に匂い立つ様な優美さをみた時と語っている。利休が求めた美への原点を描こうとした作品である。先に、その小説をよんでいたので映画としてどのように表現されたのか興味深く観賞した。
利休:市川海老蔵、その妻、宗恩:中谷美紀、その師、紹鷗:市川団十郎といったキャスト。
内容的には本に比べて、かなり省かれているといった感じはしたが、映像が美しかった。
とくに中谷美紀の楚々とした立ち居振る舞いを美しく感じた。映画化にあたって権力に屈しない美の世界という主題を前面に出したのだろう、結末が変えられてしまっていたのは少々残念だった。
小説では、利休が19歳の時にやむなく殺したとされる美しい高麗の女、利休の美の原点ともいえ、肌身離さず持ち続けたその女の形見である緑釉の香合、その香合を利休の唯一の理解者であった妻、宗恩が利休切腹後に、利休好みの石灯篭に投げつけ、たたき割るというのが物語の終章であり、衝撃的な幕切れであったのだ。香合が姿を消すことが、[利休にたずねよ」に通じるのではなかったのか・・・・・
こういうことって前にもあったなと。ホーソーン原作の「緋文字」。結末が変わったことで著者の主題からずれていて物足りなかったのだが・・・・
今回の場合結末を変えたのも含め、私が思っていたほど人間を描く点での深みは感じられなかったが、映画は映画として利休の求めた美をより強調するという方向だったのだろう。
それにしても、団十郎、登場場面は多くはなかったけれどその存在感の重厚さでは主役を圧倒。この人の早生が惜しまれます。
むくげをここに載せたのは小説の中の一節より。
『木槿一日自為栄』(木槿は一日花なるも自ら栄となす)・・死を覚悟した高麗の女がしたためたとする白居易の詩
by blue-robin2
| 2013-12-28 12:42
| 映画 演劇 コンサート
|
Comments(10)
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timata-sn at 2013-12-28 19:11
blue-robin2さん こんばんは
今日はこの冬一番の冷え込みで、寒かったですね。
映画を観に行かれたのですね。
邦画「利休にたずねよ」でしたか、原作本を読まれてたのですね。
終章が換えられて居たのですね。
何も知らない私には理解できない事柄ですが・・・・・
最初の花、むくげについてはその様な事が有るんですね。
今日はこの冬一番の冷え込みで、寒かったですね。
映画を観に行かれたのですね。
邦画「利休にたずねよ」でしたか、原作本を読まれてたのですね。
終章が換えられて居たのですね。
何も知らない私には理解できない事柄ですが・・・・・
最初の花、むくげについてはその様な事が有るんですね。
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chiyoko-mimi at 2013-12-28 19:22
こんばんは此方でも冷え込んでおります
映画を観られたのですね
この映画は私も見たいと思っています
映画を観られたのですね
この映画は私も見たいと思っています
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koba222 at 2013-12-28 19:42
昨日から本格的に冷え込んでる九州です。
たまには映画もいいですね。
こちらのサークルで1月に1回の映画鑑賞グループを作っています。
ぜひ「利休にたずねよ」を推薦して取り上げたいと思います。
まずは山本健一著の「利休にたずねよ」を読みたいと思います。
今年は大変ありがとうございました。
blue-robin2 さんに巡り合えたこともうれしかったです(^○^)
来年も宜しくお願いいたします。
たまには映画もいいですね。
こちらのサークルで1月に1回の映画鑑賞グループを作っています。
ぜひ「利休にたずねよ」を推薦して取り上げたいと思います。
まずは山本健一著の「利休にたずねよ」を読みたいと思います。
今年は大変ありがとうございました。
blue-robin2 さんに巡り合えたこともうれしかったです(^○^)
来年も宜しくお願いいたします。
やっほ~
寒い一日でしたね
「利休にたずねよ」見られましたか
番人も小説はだいぶ前に読みました
え?結末が変わってましたか そうなんだ
おっしゃられる通り監督が何を主題にするかで変えるのでしょうね
原作を読んだ後映画を見たらいつもですが だいぶ省略・・物足りない気持ちは同感ですね でも映像美は映画でないと見られないですよね
寒い一日でしたね
「利休にたずねよ」見られましたか
番人も小説はだいぶ前に読みました
え?結末が変わってましたか そうなんだ
おっしゃられる通り監督が何を主題にするかで変えるのでしょうね
原作を読んだ後映画を見たらいつもですが だいぶ省略・・物足りない気持ちは同感ですね でも映像美は映画でないと見られないですよね
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blue-robin2 at 2013-12-29 08:35
timata-snさん おはようございます。
今朝は一番の冷え込みと感じてます。
年末ですが、ちょっと気分転換に映画を見てきました。
歴史上の実在する人物ではあるんですが、全くのフィクション
緑釉の香合とともに利休と高麗の女をつなぐ小道具としてこのむくげが使われていたというわけです。
今朝は一番の冷え込みと感じてます。
年末ですが、ちょっと気分転換に映画を見てきました。
歴史上の実在する人物ではあるんですが、全くのフィクション
緑釉の香合とともに利休と高麗の女をつなぐ小道具としてこのむくげが使われていたというわけです。
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blue-robin2 at 2013-12-29 08:38
chiyoko-mimiさん おはようございます
俳優が演じる茶の所作なども興味深く見れる映画だと思います。
たまには映画、いいですよ!」「
俳優が演じる茶の所作なども興味深く見れる映画だと思います。
たまには映画、いいですよ!」「
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blue-robin2 at 2013-12-29 09:03
koba222さん おはようございます。
今朝はこちらも一番の冷え込みという気がしてます。
そういったサークルがあるんですね。楽しめますね。
私は普段はだいたいマイナーな映画を上映する小さな映画館で見るんですが、こういった興味あるものがシネコンへ来た時には、そちらも見ます。映画館で邦画を見たのは本当に久しぶりでした。
ゴメンナサイ著者の名前が変換間違いでした。山本兼一というのが正確です。RES拝見して気がつきました。ゴメンナサイ。
こちらこそいい刺激いただいてます。
来年も楽しませてくださいね。
今朝はこちらも一番の冷え込みという気がしてます。
そういったサークルがあるんですね。楽しめますね。
私は普段はだいたいマイナーな映画を上映する小さな映画館で見るんですが、こういった興味あるものがシネコンへ来た時には、そちらも見ます。映画館で邦画を見たのは本当に久しぶりでした。
ゴメンナサイ著者の名前が変換間違いでした。山本兼一というのが正確です。RES拝見して気がつきました。ゴメンナサイ。
こちらこそいい刺激いただいてます。
来年も楽しませてくださいね。
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blue-robin2 at 2013-12-29 09:03
田舎の番人さん おはようございます。
冷えますね!
フィクションですから、そのつもりで見て楽しめる映画ではあったのですが、やはり結末はそのままにしてほしかったと・・・・思いました。
映画は映画として独立した作品と見ればいいのでしょうが
利休にたずねよという題名をなるほどと受け取っていた私の解釈からいうとちょっと残念というところでしょうか。
俳優はずいぶん茶の作法も習って撮影に臨んだそうですから、動作も美しかったです。若いころにちょっとかじっただけですので、深くやってる人からの感想ではありませんが。・・・・
冷えますね!
フィクションですから、そのつもりで見て楽しめる映画ではあったのですが、やはり結末はそのままにしてほしかったと・・・・思いました。
映画は映画として独立した作品と見ればいいのでしょうが
利休にたずねよという題名をなるほどと受け取っていた私の解釈からいうとちょっと残念というところでしょうか。
俳優はずいぶん茶の作法も習って撮影に臨んだそうですから、動作も美しかったです。若いころにちょっとかじっただけですので、深くやってる人からの感想ではありませんが。・・・・
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timata-sn at 2013-12-31 19:32
blue-robin2さん こんばんは
今年も後数時間と成りました。
色々とお世話に成りました。
来年もよろしくお願い致します。
良き新年をお迎えくださいね。
今年も後数時間と成りました。
色々とお世話に成りました。
来年もよろしくお願い致します。
良き新年をお迎えくださいね。
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blue-robin2 at 2014-01-01 11:55
こちらこそありがとうございました。
佳きお年を!
佳きお年を!