2012年 12月 13日
紙と鉛筆のちから |
12月13日
古事記
断片的にはよく耳にするのだが、いままで全体を通して読むという機会がなかった最古の
古典、「古事記」。国生みから推古天皇にいたるまでの歴史物語である。
この本を手にしてからなかなか読み進めなくて、それでも全く飽きることなく読み終えた。
梅原猛による古事記の翻訳に「古事記に学ぶ」と題した著者の古事記論をおさめた本である。
単純な内容であるにもかかわらず何故読み進めなかったのか、実は登場する神様の名前がややこしいのである。8世紀初頭、皇統の正統性を伝えようと時の為政者が書き残させた古代史である以上、物語と詩で綴られているとはいえ、真偽のほどはさておき、歴史書である。登場する神々の名と、その関係性が頭の中に整理されなきゃ「読んだ」とは言えないのだ。それを邪魔するのが、漢字を連ねた複雑怪奇な神々の名前なのである。そこで、以前から買いためてまだ封も切っていなかったNHK発行のCDをかけてみた。こちらは講師:神野志隆光、
朗読:和田篤でその日本語の美しい響きに魅了され、うっとりと楽しむには非常に良いテキストなのである・・・
しかし、私のばかな頭の混乱状態回避には役立たなかったのだ。「そうだ、書いてみよう。何故思いつかなかったのだろう~~」というわけで、カタカナで神々の関係を書き出してみた。
一気に解決!書くという行為の大切さを改めて実感した次第。
後半の「古事記に学ぶ」以降は梅原氏が古事記をどう見るかといった内容であり、素晴らしい文学であると称賛し、幅広く横とのつながり、言語を通しての異民族とのつながり、といった視点で研究され興味深く読むことができた。
古事記
断片的にはよく耳にするのだが、いままで全体を通して読むという機会がなかった最古の
古典、「古事記」。国生みから推古天皇にいたるまでの歴史物語である。
この本を手にしてからなかなか読み進めなくて、それでも全く飽きることなく読み終えた。
梅原猛による古事記の翻訳に「古事記に学ぶ」と題した著者の古事記論をおさめた本である。
単純な内容であるにもかかわらず何故読み進めなかったのか、実は登場する神様の名前がややこしいのである。8世紀初頭、皇統の正統性を伝えようと時の為政者が書き残させた古代史である以上、物語と詩で綴られているとはいえ、真偽のほどはさておき、歴史書である。登場する神々の名と、その関係性が頭の中に整理されなきゃ「読んだ」とは言えないのだ。それを邪魔するのが、漢字を連ねた複雑怪奇な神々の名前なのである。そこで、以前から買いためてまだ封も切っていなかったNHK発行のCDをかけてみた。こちらは講師:神野志隆光、
朗読:和田篤でその日本語の美しい響きに魅了され、うっとりと楽しむには非常に良いテキストなのである・・・
しかし、私のばかな頭の混乱状態回避には役立たなかったのだ。「そうだ、書いてみよう。何故思いつかなかったのだろう~~」というわけで、カタカナで神々の関係を書き出してみた。
一気に解決!書くという行為の大切さを改めて実感した次第。
後半の「古事記に学ぶ」以降は梅原氏が古事記をどう見るかといった内容であり、素晴らしい文学であると称賛し、幅広く横とのつながり、言語を通しての異民族とのつながり、といった視点で研究され興味深く読むことができた。
by blue-robin2
| 2012-12-13 11:59
| 本
|
Comments(14)
Commented
by
Snufkin_001 at 2012-12-13 18:14
う~ん、古事記ですか。
またまた私の中では難題です。
こんな難しそうな本を読んでみようと思えるblue-robin2さんは
やっぱりすごいです。
私ははなから敬遠してしまいますが・・・^^;
歴史も古典文学も理解できれば、素晴らしいのでしょうね。
昨日、神戸に行ってマウリッツハイス美術館展を見てきましたよ。
時間帯が悪かったらしく、10分くらい並んで進み、
絵を目の前にしても立ち止まることを許されませんでした。
もっとじっくり見たかったです。
でも実物の絵を見れただけでも感激でした。
またまた私の中では難題です。
こんな難しそうな本を読んでみようと思えるblue-robin2さんは
やっぱりすごいです。
私ははなから敬遠してしまいますが・・・^^;
歴史も古典文学も理解できれば、素晴らしいのでしょうね。
昨日、神戸に行ってマウリッツハイス美術館展を見てきましたよ。
時間帯が悪かったらしく、10分くらい並んで進み、
絵を目の前にしても立ち止まることを許されませんでした。
もっとじっくり見たかったです。
でも実物の絵を見れただけでも感激でした。
Commented
by
blue-robin2 at 2012-12-13 18:55
Snufkin- 001さん こんばんは
秋の出雲に始まって・・・
記紀は有名にもかかわらず内容を知らないものの一つだと思ってちょっと読んでみたというわけです。イザナギ、イザナミ、アマテラス、スサノオ、オオクニヌシノミコト、カミヤマトイワレビコ、ヤマトタケルなど、おなじみの名も多くあるんですが、他にも次々知らない神が登場し、なんだか収拾がつかなくなった次第です(笑)
神戸にいかれましたか!
マウリッツハイス美術館展残すところわずかとなり、それに今はルミナリエも始まってますからより人出が多かったのでしょうね。でも、絵画を楽しんだ後は、きっと素敵な光の祭典を写されたんじゃないかしら。と想像しています。
秋の出雲に始まって・・・
記紀は有名にもかかわらず内容を知らないものの一つだと思ってちょっと読んでみたというわけです。イザナギ、イザナミ、アマテラス、スサノオ、オオクニヌシノミコト、カミヤマトイワレビコ、ヤマトタケルなど、おなじみの名も多くあるんですが、他にも次々知らない神が登場し、なんだか収拾がつかなくなった次第です(笑)
神戸にいかれましたか!
マウリッツハイス美術館展残すところわずかとなり、それに今はルミナリエも始まってますからより人出が多かったのでしょうね。でも、絵画を楽しんだ後は、きっと素敵な光の祭典を写されたんじゃないかしら。と想像しています。
Commented
by
timata-sn at 2012-12-13 20:54
blue-robin2さん こんばんは
今日も良いお天気でしたが、お昼は暖かでしたが日が落ちると寒いですね
古事記を読まれたのですね、素晴らしいですね。
登場する神々の名前を覚えられるとは凄いですね。
↑に連ねて居られる名前ぐらいしか解らない私ですよ。
出雲神話に出て来る神々は私の田舎で備中神楽に登場しますから
幾らか覚えて居ますが・・・・・
今日も良いお天気でしたが、お昼は暖かでしたが日が落ちると寒いですね
古事記を読まれたのですね、素晴らしいですね。
登場する神々の名前を覚えられるとは凄いですね。
↑に連ねて居られる名前ぐらいしか解らない私ですよ。
出雲神話に出て来る神々は私の田舎で備中神楽に登場しますから
幾らか覚えて居ますが・・・・・
Commented
by
blue-robin2 at 2012-12-13 22:29
timata-snさん こんばんは
いえいえ、神々の名前をおぼえたわけではなく、覚えられなくて往生しました。これでは横文字のローマ人の名前のほうがもっと簡単に頭に入ると思った次第です。なんどもページを行きつ戻りつしましたよ。
かぐらは、スサノオやオオクニヌシノミコトが主人公なんでしょうね。
いえいえ、神々の名前をおぼえたわけではなく、覚えられなくて往生しました。これでは横文字のローマ人の名前のほうがもっと簡単に頭に入ると思った次第です。なんどもページを行きつ戻りつしましたよ。
かぐらは、スサノオやオオクニヌシノミコトが主人公なんでしょうね。
Commented
by
toti51 at 2012-12-14 06:31
書くということの効用って思い当たりますね。
書くことによって頭が整頓されることあります。
パソコンのないときは紙に書いてましたが、そうすると漢字がスルスルとは出てこなくて(苦笑、、今、キーボードでほとんど話をするくらいの速度で書けるものだから、何か思考をまとめる時とかとてもいいと思ってます。
書くことによって頭が整頓されることあります。
パソコンのないときは紙に書いてましたが、そうすると漢字がスルスルとは出てこなくて(苦笑、、今、キーボードでほとんど話をするくらいの速度で書けるものだから、何か思考をまとめる時とかとてもいいと思ってます。
Commented
by
blue-robin2 at 2012-12-14 10:14
toti51さん おはようございます。
確かに自分自身の考えをまとめるには容易に漢字変換ができ、書いたり消したりできるキーボードが便利ですね。
今回の場合は、外からの知識を頭の中で整理するのに、例えば、AとBの間にCがうまれ、CはXの娘のYとの間にZをもうけ、Dの娘のEとの間にもFとGを設け、そのGが次のスメラミコトになったなどという、長い系図を自由に紙の上に図にして書くことで整理できたというわけです。そして、本を読んでいる途中でもよくやるのが欄外に自分流のしるしをつけたり、要点を一言書いたりもします。
確かに自分自身の考えをまとめるには容易に漢字変換ができ、書いたり消したりできるキーボードが便利ですね。
今回の場合は、外からの知識を頭の中で整理するのに、例えば、AとBの間にCがうまれ、CはXの娘のYとの間にZをもうけ、Dの娘のEとの間にもFとGを設け、そのGが次のスメラミコトになったなどという、長い系図を自由に紙の上に図にして書くことで整理できたというわけです。そして、本を読んでいる途中でもよくやるのが欄外に自分流のしるしをつけたり、要点を一言書いたりもします。
Commented
by
timata-sn at 2012-12-14 22:11
bleu-robin2さん こんばんは
今日も良いお天気でしたが、日が落ちてから雨に成りましたね。
私の母方の祖父が神楽太夫をして居ました。
弟子を持ち孫娘を弟子に嫁がせるほどの気の入れようでした。
歳と共に耳が遠くなって、太鼓の音を頼りに舞って居ました。
無くなる時に弟子に葬式の後、神楽を舞ってくれと言って亡くなりました。
その弟子の方も数年前に亡くなりました。
子供の頃からそんな関係で神楽はあちこちへ観に行って居ましたよ。
今日も良いお天気でしたが、日が落ちてから雨に成りましたね。
私の母方の祖父が神楽太夫をして居ました。
弟子を持ち孫娘を弟子に嫁がせるほどの気の入れようでした。
歳と共に耳が遠くなって、太鼓の音を頼りに舞って居ました。
無くなる時に弟子に葬式の後、神楽を舞ってくれと言って亡くなりました。
その弟子の方も数年前に亡くなりました。
子供の頃からそんな関係で神楽はあちこちへ観に行って居ましたよ。
おお!古事記を完読されましたか! もうすごいとしか (^_^)
番人だったら1ページで寝てます・・・
しかし このCDは興味がありますね
番人だったら1ページで寝てます・・・
しかし このCDは興味がありますね
Commented
by
blue-robin2 at 2012-12-15 07:59
timata-snさん おはようございます。
アマテラスが天の岩戸に隠れた時アメノウズメが神がかりして舞ったというのが神楽の起源のようですね。おじい様は無形文化財でもある備中神楽を担ってこられた方なのですね。そして、timata-snさんは古事記や日本書紀の世界観を子供のころから感じてこられたのですね。
アマテラスが天の岩戸に隠れた時アメノウズメが神がかりして舞ったというのが神楽の起源のようですね。おじい様は無形文化財でもある備中神楽を担ってこられた方なのですね。そして、timata-snさんは古事記や日本書紀の世界観を子供のころから感じてこられたのですね。
Commented
by
blue-robin2 at 2012-12-15 08:13
田舎の番人さん おはようございます。
完読と言っても散文部分は現代語訳されてるんですからたいしたことありません。
CDは万葉集のCDがほしくて、毎月取り寄せていた古典シリーズの中にありました。原文を朗読しそのあと解説が入るといったものでなかなか楽しめます。万葉集は阪大教授だった犬養孝氏、世阿弥の風姿花伝は野村万作の朗読といった具合です。とくに何度も聞いたのが風姿花伝でした。
完読と言っても散文部分は現代語訳されてるんですからたいしたことありません。
CDは万葉集のCDがほしくて、毎月取り寄せていた古典シリーズの中にありました。原文を朗読しそのあと解説が入るといったものでなかなか楽しめます。万葉集は阪大教授だった犬養孝氏、世阿弥の風姿花伝は野村万作の朗読といった具合です。とくに何度も聞いたのが風姿花伝でした。
「古事記」とは又魅力的な書物に手を出されましたねー、海原猛さんが著されたとなると尚一層・・。
1996年の「芸術新潮」特集・・日本の神々が気に入って、時々出しては読んでます。
又、同年「古筆歳時記」全3巻、いつか手に入れたいと思っています・・bluerobin2さんもきっとお気に召すと思い立ち、関係ないのですが載せてみました♪♪
1996年の「芸術新潮」特集・・日本の神々が気に入って、時々出しては読んでます。
又、同年「古筆歳時記」全3巻、いつか手に入れたいと思っています・・bluerobin2さんもきっとお気に召すと思い立ち、関係ないのですが載せてみました♪♪
Commented
by
koba222 at 2012-12-15 12:13
古事記を読まれたとはすごい。
まず名前が覚えられないことは理解度が落ちます。
そこでカタカナで名前を並べながら読み進むとはあっぱれです。
古事記を読まれた後の寺社めぐりは
また違った思いが出てくるでしょうね。
まず名前が覚えられないことは理解度が落ちます。
そこでカタカナで名前を並べながら読み進むとはあっぱれです。
古事記を読まれた後の寺社めぐりは
また違った思いが出てくるでしょうね。
Commented
by
blue-robin2 at 2012-12-15 23:34
白いねこさん こんばんは
古事記自体もさることながら後半は、梅原氏の自論もいっぱい展開されて読み応え有りました。一時、古代史に凝った時期があって、その理由は平安時代以前の日本の歴史というのは結構周辺諸国とのからみがあって面白いと思ったからです。氏のとらえ方もそうですので興味深く読みました。
古文書を前にした時、この芸術性あふれる文字を読めたら、感動も一段と深まるんだろうと思うことがよくありますが
「古筆歳時記」はそういった意味できっといい本なんでしょうね。
古事記自体もさることながら後半は、梅原氏の自論もいっぱい展開されて読み応え有りました。一時、古代史に凝った時期があって、その理由は平安時代以前の日本の歴史というのは結構周辺諸国とのからみがあって面白いと思ったからです。氏のとらえ方もそうですので興味深く読みました。
古文書を前にした時、この芸術性あふれる文字を読めたら、感動も一段と深まるんだろうと思うことがよくありますが
「古筆歳時記」はそういった意味できっといい本なんでしょうね。
Commented
by
blue-robin2 at 2012-12-15 23:49
koba222さん こんばんは
たとえば高御産巣日神、宇摩志阿斯訶備比古遅神・・・・といった具合に神の名が次々出てくるものだから、しかも一柱の神がいくつもの名をもってたりするものだから、もうカタカナででも書きださない限り混乱です。まあ、説話だからとはいってもつながりがわからないと気持ちが悪いですもの。
そうなんです。中山寺の忍熊王の話もこの中にありましたからね。
たとえば高御産巣日神、宇摩志阿斯訶備比古遅神・・・・といった具合に神の名が次々出てくるものだから、しかも一柱の神がいくつもの名をもってたりするものだから、もうカタカナででも書きださない限り混乱です。まあ、説話だからとはいってもつながりがわからないと気持ちが悪いですもの。
そうなんです。中山寺の忍熊王の話もこの中にありましたからね。