2015年 11月 23日
紅葉の大和路 |
11月21日
淡山神社から文殊院へ。
桜井駅に着いたのは10時29分。駅南口から20数分バスに揺られて登っていった先に今日の目的地、木造十三重塔のある淡山神社はある。
予定は、淡山神社から裏山の御破裂山に登り(登り、25分)、多武峰(とうのみね)まで降りて、バスで来た道を倉橋まで引き返し、聖林寺で国宝十一面観音を見た後、古墳などのある住宅地を抜けて、安倍の文殊院を訪ね、桜井駅まで歩こうという計画。
淡山神社
神社バス停から順路に沿って石段を東へ降りて行くと[十三重石塔へ]との道標。少し登ると木立の中にすくっとそびえ立っている石塔は藤原鎌足二男、不比等を祀った墓。 神社の概要
中臣鎌足を祀るこの神社はその長男、定慧が摂津の阿武山から改葬。十三重塔を建立して妙楽寺を開いたのが始まりで、その後701年には神殿(本殿)がたてられ神社が創建される。明治の神仏分離で神社だけが残り、淡山神社として今に至っている。淡山の名の由来は中臣鎌足と中大兄皇子が645年、大化の改新の談合をこの多武峰で行い、のちに、この地を[談い山]と読んだことによるそうだ。
参道に戻り、赤い鳥居をくぐった先は本殿への石段。まわりは立派な石垣を構え、両側から杉や紅葉が始まったばかりのモミジの木立が迫ってくる。 見上げると、降り注ぐようなモミジと淡山神社拝殿の朱塗りの屋根が美しい。
拝殿は舞台づくりでその脚下も美しく掃き清められている。
桜門からはいると、左手に南向きの本殿が配されている。その向かいの拝殿に上がって、正面から本殿を拝する。その拝殿内には、社宝が展示され、鎌足公画像を始め、神事として行われる蹴鞠、神に供える神饌、が展示されている。中でも、談合の様子に始まり、蘇我入鹿暗殺の場面を描いた「多武峰縁起絵巻」に目を引きつけられる。 本殿と拝殿 拝殿をとり囲む廊下には沢山の釣り燈篭が掛けられ、灯篭越しの風景が美しい。 拝殿から西へ歩くと本日の目当てであった十三重塔がそびえている。 下から見上げると初層だけが大きく後はほぼ同じ大きさという屋根の形が堂々として威圧的。木造のものとしては世界で唯一の存在なのだとか。・・・
塔の西にある権殿の先に、鎌足ゆかりの山へと昇る階段が見える。せっかくだから登ってみようとて・・・
杉や桧に囲まれた急な坂を上るとやがて、三叉路へ。右がいわゆる「談い山」左へ250m行くと鎌足の墓のあるという「御破裂山」先ず北西の山道を御破裂山へ。 登りきると鎌足の墓所があり、まわりこんだところから大和三山や二上山までをながめられる。
そして、帰りに寄った「かたらい山」は展望がなく、「御相談所」と彫られた石碑がたつのみ。
淡山神社権現まで引き返し、階段下の蹴鞠の庭を通って神社を辞し、多武峰バス停まで10分ほど歩く。門前では地元産物を並べた土産店数軒が軒を連ねる。酒かす,柿、山の芋、中でも串刺しされたこんにゃくがならぶ大鍋が目を引く。一本100円也に味噌をつけてくれる。熱々のところをほおばったがいと美味しい!
途中で見かけた魔尼輪塔
バスに乗って、倉橋で下車、近くにある崇俊天皇稜を見て、さらに西へ歩を進める。
聖林寺
この寺は712年、定慧が開いた古刹で、十一面観音立像(天平仏・国宝)を安置するお寺。 受付から本堂へあがると丈六石仏の本尊、子安延命地蔵菩薩座像が安置されている。びっくりするほどの顔の大きさとその柔かい表情に癒される。もともとこの地にあった花崗岩から彫りおこしたものとのこと。本尊の右側にはフェノロサとピゲローが十一面観音を安置するために寄贈したという厨司が置かれ、説明によると災害時に容易に引き出せるようにレールが敷かれているのが特徴とのことで彼らの観音像への高い評価をうかがわせる。お厨子の部屋からは美輪山や山の辺の道への展望がひろがっている。 いよいよ収蔵庫の十一面観音(撮影禁止)を拝観。木芯乾漆像で、金箔が剥落した部分から漆が見えるといった雰囲気が実にいい、奥行きのあるふくよかな顔立ち、腰のしまった立ち姿が美しい。特に指先まで神経がいきとどいた様子にひきつけられた。また、この日は運よく曼荼羅展が開かれていて、観音浄土補陀落山図や春日宮曼荼羅ほか10点ばかりを堪能するまで鑑賞。
寺でコーヒーと手作りのマドレーヌを味わい一息入れた後、今度は北方向へ。聖林寺で見るものが多くて時間を要したので途中の上の宮遺跡や古墳への立ち寄りは飛ばし、酒屋や材木屋が立ちならぶ通りを、今日最後の目的地、安倍文殊院へ急ぐ。途中で計画変更、地図を見ながら、時には迷いながら、行き当たりばったりというのも旅の楽しみ・・・。
安倍文殊院
日本三文殊のひとつとして有名な古刹。
周囲に合格祈願の絵馬がいっぱい吊るされた本堂で、受付を済ませお抹茶を一服。よく歩いたので、コーヒーに次いでの抹茶だったが美味しくいただく。
本堂に入ると脇侍4体に囲まれた快慶作の総高7mもある文殊菩薩騎獅像が安置されている。その立派さに唖然とする。智恵の文殊として信仰されるのもうなづけるりりしいお顔立ちだ。脇侍の一つ、振り替えるような格好で合掌する善財童子の可愛さも印象に残る。
本堂を出て、西古墳に立ち寄り、安倍晴明像を安置する浮御堂を右に見て、白山堂などを巡り、展望台へ。
安倍晴明の天文観測の地と彫られた碑のある展望台からは池に浮かぶ浮御堂と、夕なずむ大和、遠くにかすむ二上山。
文殊院からは桜井駅へ約20分の歩き。4時53分発の急行で帰路につく。
淡山神社から文殊院へ。
予定は、淡山神社から裏山の御破裂山に登り(登り、25分)、多武峰(とうのみね)まで降りて、バスで来た道を倉橋まで引き返し、聖林寺で国宝十一面観音を見た後、古墳などのある住宅地を抜けて、安倍の文殊院を訪ね、桜井駅まで歩こうという計画。
淡山神社
神社バス停から順路に沿って石段を東へ降りて行くと[十三重石塔へ]との道標。少し登ると木立の中にすくっとそびえ立っている石塔は藤原鎌足二男、不比等を祀った墓。
中臣鎌足を祀るこの神社はその長男、定慧が摂津の阿武山から改葬。十三重塔を建立して妙楽寺を開いたのが始まりで、その後701年には神殿(本殿)がたてられ神社が創建される。明治の神仏分離で神社だけが残り、淡山神社として今に至っている。淡山の名の由来は中臣鎌足と中大兄皇子が645年、大化の改新の談合をこの多武峰で行い、のちに、この地を[談い山]と読んだことによるそうだ。
参道に戻り、赤い鳥居をくぐった先は本殿への石段。まわりは立派な石垣を構え、両側から杉や紅葉が始まったばかりのモミジの木立が迫ってくる。
拝殿は舞台づくりでその脚下も美しく掃き清められている。
桜門からはいると、左手に南向きの本殿が配されている。その向かいの拝殿に上がって、正面から本殿を拝する。その拝殿内には、社宝が展示され、鎌足公画像を始め、神事として行われる蹴鞠、神に供える神饌、が展示されている。中でも、談合の様子に始まり、蘇我入鹿暗殺の場面を描いた「多武峰縁起絵巻」に目を引きつけられる。
塔の西にある権殿の先に、鎌足ゆかりの山へと昇る階段が見える。せっかくだから登ってみようとて・・・
杉や桧に囲まれた急な坂を上るとやがて、三叉路へ。右がいわゆる「談い山」左へ250m行くと鎌足の墓のあるという「御破裂山」先ず北西の山道を御破裂山へ。
そして、帰りに寄った「かたらい山」は展望がなく、「御相談所」と彫られた石碑がたつのみ。
淡山神社権現まで引き返し、階段下の蹴鞠の庭を通って神社を辞し、多武峰バス停まで10分ほど歩く。門前では地元産物を並べた土産店数軒が軒を連ねる。酒かす,柿、山の芋、中でも串刺しされたこんにゃくがならぶ大鍋が目を引く。一本100円也に味噌をつけてくれる。熱々のところをほおばったがいと美味しい!
途中で見かけた魔尼輪塔
バスに乗って、倉橋で下車、近くにある崇俊天皇稜を見て、さらに西へ歩を進める。
聖林寺
この寺は712年、定慧が開いた古刹で、十一面観音立像(天平仏・国宝)を安置するお寺。
寺でコーヒーと手作りのマドレーヌを味わい一息入れた後、今度は北方向へ。聖林寺で見るものが多くて時間を要したので途中の上の宮遺跡や古墳への立ち寄りは飛ばし、酒屋や材木屋が立ちならぶ通りを、今日最後の目的地、安倍文殊院へ急ぐ。途中で計画変更、地図を見ながら、時には迷いながら、行き当たりばったりというのも旅の楽しみ・・・。
安倍文殊院
日本三文殊のひとつとして有名な古刹。
周囲に合格祈願の絵馬がいっぱい吊るされた本堂で、受付を済ませお抹茶を一服。よく歩いたので、コーヒーに次いでの抹茶だったが美味しくいただく。
本堂に入ると脇侍4体に囲まれた快慶作の総高7mもある文殊菩薩騎獅像が安置されている。その立派さに唖然とする。智恵の文殊として信仰されるのもうなづけるりりしいお顔立ちだ。脇侍の一つ、振り替えるような格好で合掌する善財童子の可愛さも印象に残る。
安倍晴明の天文観測の地と彫られた碑のある展望台からは池に浮かぶ浮御堂と、夕なずむ大和、遠くにかすむ二上山。
文殊院からは桜井駅へ約20分の歩き。4時53分発の急行で帰路につく。
by blue-robin2
| 2015-11-23 17:21
| 旅
|
Comments(10)
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nonkonogoro at 2015-11-23 19:02
大和路とは ずいぶんご無沙汰していますが
京都とは又違った 悠久の時の流れを感じる地ですね。
まだ暖かい日が続いているので
旅にはもってこいの秋になりましたね。
晴明さんもこの地を訪れていたのですね。
(一時 夢枕 獏の「陰陽師」を読んで 晴明さんにはまってました・笑)
京都とは又違った 悠久の時の流れを感じる地ですね。
まだ暖かい日が続いているので
旅にはもってこいの秋になりましたね。
晴明さんもこの地を訪れていたのですね。
(一時 夢枕 獏の「陰陽師」を読んで 晴明さんにはまってました・笑)
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timata-sn at 2015-11-23 21:41
blue-robin2さん こんばんは
今日は晴れたり曇ったりの不安定なお天気でしたね。
大和路の散策をされたのですね。
談山神社の十三重の石塔や十三重の塔凄いですね!!
本殿・拝殿の他、釣り灯籠の間から見える景色も素敵ですね。
聖林寺・安倍文殊院へと回られたのですね。
綺麗な紅葉も見えて素敵な大和路の旅と成りましたね!!
今日は晴れたり曇ったりの不安定なお天気でしたね。
大和路の散策をされたのですね。
談山神社の十三重の石塔や十三重の塔凄いですね!!
本殿・拝殿の他、釣り灯籠の間から見える景色も素敵ですね。
聖林寺・安倍文殊院へと回られたのですね。
綺麗な紅葉も見えて素敵な大和路の旅と成りましたね!!
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blue-robin2 at 2015-11-24 09:25
nonさん こんにちは
当地からだと新幹線で直接行けるということもあって京都は行きつくしたといえるほど何度も足を運んでいますが、奈良はちょっと遠いという感覚です。その伸びやかな雰囲気が好きですのでちょっと早く出てこれからも歩いてみたいと思ってます。
夢枕獏の[陰陽師]私も好きで何冊か読みました。京の夜は漆黒の闇といった時代背景に大いに興味をそそられたのを思い出します。
当地からだと新幹線で直接行けるということもあって京都は行きつくしたといえるほど何度も足を運んでいますが、奈良はちょっと遠いという感覚です。その伸びやかな雰囲気が好きですのでちょっと早く出てこれからも歩いてみたいと思ってます。
夢枕獏の[陰陽師]私も好きで何冊か読みました。京の夜は漆黒の闇といった時代背景に大いに興味をそそられたのを思い出します。
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blue-robin2 at 2015-11-24 09:36
timata-snさん こんにちは
長閑な大和路を歩いてきました。ちょっと高いところに登ると
遠くに二上山や葛城山、生駒山。それらに取り囲まれた広い奈良盆地の広がりを見ているだけでも古代からの人の営みを感じることができて感動的です。寺の建築様式も、仏像の様式も心なしかおおらかに見えてホッとできる空間です。
長閑な大和路を歩いてきました。ちょっと高いところに登ると
遠くに二上山や葛城山、生駒山。それらに取り囲まれた広い奈良盆地の広がりを見ているだけでも古代からの人の営みを感じることができて感動的です。寺の建築様式も、仏像の様式も心なしかおおらかに見えてホッとできる空間です。
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田舎の番人
at 2015-11-24 22:54
x
十三重塔!!!初めて見た気がします! 大和路散策でしたか!
まだまだ素敵な所がいっぱい日本にもあるのですね!
怖い飛行機に乗って外国へ行くことないな~ (笑)
まだまだ素敵な所がいっぱい日本にもあるのですね!
怖い飛行機に乗って外国へ行くことないな~ (笑)
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blue-robin2 at 2015-11-25 09:31
番人さん こんにちは
古都散策、京都もいいですが、奈良はおおらかさがあってなかなかいいです。大和路には歩くところまだまだいっぱいありそうです。
年齢によって興味対象も変わりますから再訪するというのもいいものです。
若いころは山ばかり、その後はちょっと海外へも足を向けましたが、最近は危険要素が多く二の足を踏んでしまいますよね~~
古都散策、京都もいいですが、奈良はおおらかさがあってなかなかいいです。大和路には歩くところまだまだいっぱいありそうです。
年齢によって興味対象も変わりますから再訪するというのもいいものです。
若いころは山ばかり、その後はちょっと海外へも足を向けましたが、最近は危険要素が多く二の足を踏んでしまいますよね~~
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koba222 at 2015-11-26 20:54
紅葉の大和路お出かけしかもお天気でよかったですね。
淡山神社へ昨年出かけた事思い出すます。
熊野古道の一部を歩くときに寄りましたが雨にあいました。
参拝者もほとんどなくゆっくりとお参りしながら
雨に濡れた紅葉と落ち葉の美しさを眺めたこと思い出しますね。
朱塗りの屋根や脚下の美しさは目に留まります。
京都より落ち着く大和路いい思い出です。
そのような場所へ日帰りで出かけられる所にお住みなのですね。
いいですね~~!(^^)!
淡山神社へ昨年出かけた事思い出すます。
熊野古道の一部を歩くときに寄りましたが雨にあいました。
参拝者もほとんどなくゆっくりとお参りしながら
雨に濡れた紅葉と落ち葉の美しさを眺めたこと思い出しますね。
朱塗りの屋根や脚下の美しさは目に留まります。
京都より落ち着く大和路いい思い出です。
そのような場所へ日帰りで出かけられる所にお住みなのですね。
いいですね~~!(^^)!
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blue-robin2 at 2015-11-27 00:16
kobaさん こんばんは
昨秋私と同じ頃に熊野古道をUPされていたのを思い出します。
こちらへもまわられたのですね!
私のところからですと京都や奈良は日帰りを基本としているのですが、京都は楽ですが奈良はちょっと遠いという感じです。現地ではなるべく歩いて移動したいということもあり、特に秋は暮れるのが早いので、行った先での所要時間は結構丁寧に計画して出かけます。
昨秋私と同じ頃に熊野古道をUPされていたのを思い出します。
こちらへもまわられたのですね!
私のところからですと京都や奈良は日帰りを基本としているのですが、京都は楽ですが奈良はちょっと遠いという感じです。現地ではなるべく歩いて移動したいということもあり、特に秋は暮れるのが早いので、行った先での所要時間は結構丁寧に計画して出かけます。
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hime
at 2015-11-29 23:35
x
こんばんは(*^-^*)
安倍文殊院10月16日にコスモスが見頃だったので行ってきました。私もお抹茶一服いただきました。友達と行ったので電車乗り過ごしたりバス乗り場探したりで、笑いありの散策でした。(*^^*)すっかり景色が変わっていますね。
安倍文殊院10月16日にコスモスが見頃だったので行ってきました。私もお抹茶一服いただきました。友達と行ったので電車乗り過ごしたりバス乗り場探したりで、笑いありの散策でした。(*^^*)すっかり景色が変わっていますね。
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blue-robin2 at 2015-11-30 01:34
himeさん こんばんは
お久しぶりです。引っ越し先にもなれて、お友達とお出かけを楽しんでらっしゃるようですね。奈良は長閑な感じがしていいですね。私は紅葉が目当てでしたがコスモスの時期もきっと素敵だったことでしょうね。
お久しぶりです。引っ越し先にもなれて、お友達とお出かけを楽しんでらっしゃるようですね。奈良は長閑な感じがしていいですね。私は紅葉が目当てでしたがコスモスの時期もきっと素敵だったことでしょうね。